にっぽん日和 山口 下関市 前編

2013-08-29

後援:観光庁
「にっぽん日和」は観光庁後援のコンテンツです

下関市

“福を招く” と人の言う
ふぐがつなぐ人の縁

春帆楼春帆楼

春帆楼

伊藤博文が「春の海をゆったり漂う帆船を心に描いて」名付けた春帆楼。明治政府の要人となった志士をはじめ、昭和天皇皇后両陛下も宿泊された割烹旅館です。
ふぐの刺身から透けて見えるのは古伊万里に有田焼。「ふく料理公許第一号店」の板前さんたちの包丁さばきは確かです。
春帆楼本店 下関市阿弥陀寺町4-2

手柴鋼太郎支配人日清講和記念館

春帆  手柴鋼太郎支配人

日清講和記念館日清講和記念館

春帆楼の隣にある記念館。

明治28 年、この地は日清講和会議の会場となりました。
浜離宮から下賜されたといわれる椅子や、講和会議で使用された調度品、

両国全権の伊藤博文や李鴻章の遺墨などが展示されています。

歴史をはぐくむ
〝ふく〞の味

ふく

下関に行くといえば必ず聞かれるのが「ふぐを食べに?」という言葉。皿の模様が見えるほど、薄く切ったふぐの刺身は圧巻。もはや芸術品と呼びたくなるようなふぐ料理は、食にとどまらず、下関の文化を語るときに欠かせない要素です。

豊臣秀吉の政権下で禁制となったふぐ。
それが解かれたのは遠く歴史を下った明治21年、当時初代内閣総理大臣を務めていた伊藤博文の令によります。きっかけはまさにこの下関、今ではふぐの名店として全国に名を知られるようになった『春帆楼』で食したふぐを「これは美味い」と賞賛したことによります。

ふぐ料理といえば刺身が王道ですが、ふぐちり、唐揚げ、ひれ酒、白子など、捨てるところなく味わえるのもふぐの特徴です。

「ふくはコースで食べても飽きない魚です。なぜなら刺身と唐揚げとでは、まったく味が変わるでしょう。天然もののふくは、ぽん酢をつけなくてもおいしく味わうことができます。歯ごたえがあるので、淡白な中にもさまざまな味をゆっくり楽しむことができるのがふくの良さ」と春帆楼の手柴鋼太郎支配人。

下関の人々が「福を招く」として〝ふく〞と呼ぶ魚。大人の味覚です。

松村久代表取締役下関のふく 袋競り

写真左)下関唐戸魚市場株式会社 松村久代表取締役

下関のふく 袋競り下関のふく 袋競り

下関の南風泊市場は、ふぐ専門の魚市場です。ここでは「袋競り」と呼ばれる独特な競りスタイルが伝統です。用意はいいか、場を閉めてもいいかを意味する「エカエカ」という競り人の掛け声と共に、袋をかぶせた手の中で仲卸人が指を握り、提示額を示します。ふくの状態を見極め、一瞬にして金額を決める「袋競り」は、魚市場の男たちの戦いの場なのです。

ふく株式会社天白ひらこし株式会社天白ひらこし

水槽をみせてくださった株式会社天白ひらこし代表取締役平尾泰範さん(左)と下関ふく連盟・全国ふぐ連盟事務局長
の時田詩夕さん。


スペースシャトルでふぐの刺身を食すために

水産大学校 芝恒男教授平成15 年、下関市内の中学校に日本人宇宙飛行士・古川聡さんを招いた交流会にて、「下関のふぐを宇宙でも食べられるようにできますか?」という下関市長の問いかけに水産大学校からの出席者が「できます」と答えました。その特命を受けて、ふぐの長期保存の研究に取り組んだのが、食品微生物分野を研究する芝教授のチームでした。
内臓や外皮などを取り除き、無菌にしたトラフグの刺身を50日間、冷蔵・熟成させることに成功したのは平成20 年。無菌のトラフグフィレーの機械化製造ラインを完成させ、洋食のレシピも開発しました。平成23 年には加圧して滅菌する方法にも成功。保存開始から50 日のトラフグを分析すると、うま味成分のイノシン酸は減少したものの、グルタミン酸は10倍以上に増えていたとのこと。「現在、ふぐ以外の魚や牛肉でも加圧滅菌を研究中です。実現には期待が持てます」と、希望に燃える研究チームです。


競り人は役者
相手が誰でも相場を仕切る

下関のふぐの水揚げは、全国の9割を占めるといわれます。その売買が行われるのが「下関南風泊市場」です。

ふぐの競りはユニークな「袋競り」。下関唐戸魚市場株式会社を預かる松村久社長も、30代の頃に12年間、競り人を務めました。
「みんな競り人に憧れてこの世界に入ってくるが、気が強いかとか、正直であるかという要素を見極められて競り人になるんだ。そろばんの2、3級くらいを持っていれば仕事を覚えるのも早いが、最近は電卓に慣れているから、これからどうなるかな」

競り人としての松村社長のポリシーは相場が異常に加熱することなく、どの船もあまり差がなく売ることだそうです。
「買ってくれる相手は社長さんだけど、自分は役者だと思って仕切っていたね。競りが終わるとただの人なんだけど(笑)」

終わるとただの人なんだけど(笑)」 ふぐは高くてなかなか手が出ないというイメージがあります。しかしもっと若い人にも食べて欲しいと松村社長。

「私にしても『ふぐ屋だ』と言うと、『おお! そうなのか』と関心を持たれて、いろいろな人との出会いがありました。ふぐは人と人をつなぐ魚ですね」

下関ふぐ市場のこれからの役割は、ふぐの普及のみならず、ふぐ文化を伝えることだと語ってくれました。

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